当紹介ページはとにかく長いです。しかし、防音室の特徴や設置にあたっての注意点、見落としてしまいそうな留意点を列挙しました。是非、ご参考下さい。


防音音楽スタジオを設置するにあたり、実現に向けてこだわったことは次の通りです。


騒音クレームが絶対に来ないようにして、24時間365日好きな時に、楽器の演奏やカラオケを安心して楽しみたい。

◆隣室のインテリアとマッチングするデザイン性

音響と音質へのこだわり

◆数人が入室できて、ミニライブやレッスンができる。

◆時間を気にせず1人カラオケを楽しみたい。

◆楽器の演奏、ヴォーカルをその場で録音、その場で再生

スマホ等のモバイル端末にある楽曲をスピーカーから流しながら、楽器練習ができる。

◆TVや映画、音楽の再生を高音質、大音量、大画面で楽しみたい。

◆演奏をYouTube等で生配信できる


上記のように希望項目が多かったため、限られた予算でどこまで実現できるかを防音室建築会社と徹底的に討議しました。その際、建物の建築会社の設計担当者も加わり、耐震設計の構造計算等も共同で行いました。




住宅リフォーム7

1. 土足OKの防音音楽スタジオです


色合いは全体的にグレー系にしました。壁と天井はグレー、床は昔懐かしいディスコ調の玉虫色にしました。土足のまま入室するので、カーペットは避け、唾液や水などの拭き取りの手間が簡素にできる素材にしました。


2. いい音響のためには吸音対策が必須。ところで吸音対策って何?


防音スタジオでは音響に関わる吸音が極めて重要で、音の反射の強弱は慎重に調整する必要があります。例えば、吸音対策に不備があると、ピアノやアコスティックギターのストローク、バイオリンの音が響き過ぎて、部屋中にハウリングしてしまい、非常に不快な音響になってしまいます。「吸音」は防音スタジオにとってキーワードです


吸音方法には2種類あります。後付けで吸音パネルを天井から吊り下げるタイプ壁全体を造作吸音仕様にするタイプです。後者の場合、建築段階から工事する必要があるため、価格は吊り下げタイプよりも高くなります。デザイン性を重視して、壁に造作するタイプにしたので、写真のようにギターの引っ掛け金具の設置場所に制限はなく、部屋のスペースも有効活用できました。壁の表面素材は傷のつきにくい布になっています。

3. 防音効果を上げれば上げる程、部屋は狭くなります!!  


「24時間365日好きな時にピアノでもギターでも騒音クレームが来ないようにする」ことが、第一のこだわりでしたが、妥協すべき点は「部屋が狭くなる」ことでした。それはその実現のために、20cmも厚みのある遮音壁を元々の壁の内側に施工したために、左右前後の壁厚が20cm追加になりました。さらに、天井と床も同様です。つまり、部屋の内寸の前後左右、上下がそれぞれ20cmづつ短くなったのです。写真の工事現場では、まだ壁に遮音壁を施工する前の段階の状態です。ここから部屋が前後左右、上下共にどんどん狭くなります。


私達は、建物自体を新築した際に、1階に防音スタジオを建築したので、床の高さを防音スタジオの所だけ20cm下げて、隣接する部屋と床の高さは同じになりました。また、建物の1階部分だけ他の階よりも天井高を20cm高く設計していたので、防音室の天井高も他の部屋と同じ高さにすることが出来ました。しかし、前後左右に関しては、本来内寸よりもスペースが小さくなることは受け入れる必要がありました。なお、当防音室はドラム演奏は対象にはしていません。ドラム演奏をする場合は、遮音壁の厚さは20cmでは足らず、40cm程度にする必要があるようです。防音効果を上げれば上げるほど、「壁をふかす(元々の壁の内側に遮音壁を造る)」必要がありますので、その分、部屋が狭くなっていきます。


床、天井に関しましては、防音会社の防振ダンパーを床に設置し、天井は防振天井を施工する為、ゴムのついた防振ハンガーを使用し、音の振動を抑える施工を行っております。防音は、振動をとめるのが非常に難しい様です。

4. 防音室の重量は何とトータル5,500kg!! 建物の耐震構造計算に合格しないと!


約20cm厚の遮音壁を東西南北、天井、床に施工する場合、その重量は約5,500kg(5.5トン)になります。5.5トンのイメージと言いますと、普通のクルマが3台から4台分の重量となります。建物がその重量に耐えられるように耐震構造計算して設計をする必要があります。我々も新築設計する際、建物がその5.5トンの重量に耐えられるように、設計士と入念の打ち合わせをしました。勿論、防音スタジオ建築会社の設計担当者も一緒に討議を重ね、耐震設計が充分になされるように対策を講じました。


掲載写真が、遮音壁施工資材です。大変に凄い量に見えますが、実際にはこの10倍ぐらいの量がありました。これを前後左右の壁、天井に施工します。建物に何も補強せずに、5.5トンの重さの遮音壁など施工したら、建物が崩れ落ちてしまいます。


なお、5.5トンの重量のある防音室ですから、私達は建物の1階に設置をすることを決断しました。しかし、同じ仕様の防音室を建物の4階や8階等に設置しているユーザーもいます。勿論、防音室建築会社と建物建築会社が耐震設計上の構造計算を行った上で建築可能と判断した場合に限ります。


5-(1) 防音室の入口は全面防音仕様のガラス扉を使用、密閉感は皆無です!


防音スタジオの入口扉は、全面防音仕様のガラス扉を使いました。これが私達の防音室のこだわりの1つです! 通常、防音室の扉のイメージは、ガラスの無い鋼鉄のような扉で無味乾燥したデザインを思い浮かべる方が多いと思います。私達が依頼をした防音スタジオ建築会社は、この防音全面ガラス扉を用意できるところが売りでして、その建築会社に決めた理由の1つがこの全面防音ガラス扉です。


この全面防音ガラス扉を採用することで、防音スタジオの雰囲気が格段に明るくなりました。隣接する部屋からも防音室の中を見ることが出来ますし、中からも外の雰囲気を眺めることが出来ます。しかし、不思議なことに、この防音ガラス扉を閉めてしまうと別世界になるんです(苦笑)。中で何をやっているか、何を演奏しているかが全く分からないんですね。また、中にいると、外で何が起きているかも全く分かりません。勿論、話し声も聞こえませんし、困ったことに、来客を告げるホーンの音も全く聞こえないですし、電話の音も聞こえません。防音室の中で誰かが楽器を演奏していても、隣の部屋では気が散ることなく普通に本を読んだり、仕事したり、商談をすることも出来ます。これは本当に凄い防音全面ガラスです。

5-(2) 防音スタジオの全面ガラス扉は2重構造、迫力満点!


防音室の壁は元々あった壁と合わせると何と約35cmの厚さになります。約20cmもある遮音壁を施工すると言いましたが、このガラス扉の部分にも遮音壁を施工すると真っ暗になってしまいますよね(笑)。全面ガラス自体がオリジナルの防音仕様になっています。しかも、ご覧の通り、ガラス扉は2重構造になっています。2重のガラス扉の間も20cm離れています。ここに空気層があり、ここで音の振動が固体物質を伝わっていかない仕組みになっています。ガラスとガラスの間に20cmの空気層があることで音漏れを防止します。ガラス扉1枚だけ閉め切った状態でもう1枚を開けた状態にしますと、さすがに防音効果は落ちます。ピアノを演奏すると、曲名はわかります。それでも人の話声よりも小さいです。ガラス扉を2枚完全に締め切ると、部屋内は暗騒音(室内にある音)が17dB程度になり、別世界の防音状態となります。ガラスの組み合わせや厚みに企業秘密が隠されているようです。


なお、ガラス扉を2重にしても、元の壁の内側に施工した約20cmの遮音壁よりも若干、防音効果は落ちます。隣り部屋には僅かですがピアノ音等は聞こえてきます。しかし、音はあくまで僅かに聞こえるレベルでして、人の話し声の方が全然大きいです。仮にショパンの幻想即興曲を弾いていたとしても、外にいると「何の曲を弾いているのだろう?」と耳を傾けないと分かりません。その位の防音効果が2重のガラス扉にはあります。なお、ガラス自体も厚みがあり、重量は相当にあるので、扉自体を男性1人でも持つことは非常に難しいと思います。



5-(3) 防音スタジオの全面ガラス扉の2重構造はかなり空間がある、防音の知恵です!


2枚のガラス扉の間は20cm離れていることで部屋のスペースはその分、狭くなります。ここは防音効果を上げるためには仕方ありません。しかし、ユーザーによってはこのガラス扉を3重構造にしているコダワリ派の人もいるようです。3重構造にしますと、完全に無音状態になるかと思います。私達はそこまではこだわりませんでした。部屋が狭くなるのと、コストアップになるのが理由ですが、2重構造でも、隣りの部屋には殆ど聞こえなく、防音効果は充分だと思ったからです。


写真で見ると、2枚のガラス扉の20cmの間の真ん中ぐらいに1本の1cmぐらいの線があることが分かりますか? これは床材を敢えて、1枚の床材にするのではなく、間に緩衝剤を入れて、分離させているんです。これは床材に音が伝わって隣部屋に音が漏れるのを防止するためです。これは防音室建築会社のノウハウですね! 細かい所にも防音のノウハウが隠されており大変に勉強になりました。


なお、この全面ガラス扉をスライドするのはそこそこ力が必要です。ガラス扉はかなり重く、普通の扉をスライドさせるよりも力が必要です。しかし、女性やご年配の方でもスライドさせることはできるでしょう。しかし、2枚のガラス扉の間が20cm離れているので、防音室に出入りす際は、跨がなくてはならないです。ガラス扉のレール自体はアルミ製であるために、アルミ製レールを靴で何度も踏んづけてしまうと、踏んづけた力の重みでアルミ製のレール自体が歪んでガラス扉のスライドがキチンと出来なくなる可能性があるからです。ここは気を付けています。

5-(4) 防音スタジオの中から外を見た時の開放感が素晴らしい(夜間)


通常の防音室のイメージと言えば、外界と分断され、どちらかと言えば密室に閉じ込められた閉鎖的なものが多いですよね。しかし、我々の防音スタジオは全面ガラスを採用してことで、外の光がふんだんに入ってきてとても気持ちが良いです。防音室の中から建物の外の道路を歩いている人達の顔を見ることもできますし、逆に道路を歩いている人達からも防音室の中の状態はいわゆる丸裸になります。見られるのが嫌であれば、建物の1Fの道路に面しているブラインドを閉めれば道路を歩いている人達から見られることはないです。


しかし、防音室のガラス扉側にカーテンやブラインドは私達は設置するのはやめました。防音室自体が狭くなるのと、そこまでこだわる必要も無いと思ったからです。カーテンは吸音効果もあるのですが、カーテンが無く、ガラス扉だけでも隣部屋に人がいても、音の漏れが殆ど無く、迷惑にならないと考えました。仮に隣部屋で商談中であったとしても、音漏れによって商談に支障が生じることは無いと判断しています。

5-(5) 防音スタジオの中から外を見た時の開放感が素晴らしい(昼間)


防音室の入口の扉を全面ガラスにしたメリットは開放感ですが、昼間はさらに気持ち良いです。ご覧の通り、建物に面した歩道を歩いている通行人の顔も見れます。明るい雰囲気でピアノやギター、サックス、ヴォーカル等の練習が出来るのでとても気持ち良いです。密閉しがちな防音室を開放的にしたいと考え、このような設計にしたのですが、私達には大成功でした。


勿論、人に見られるのが嫌だと考える人には適さないでしょうが、私達はとにかく明るい光が沢山さしこんでくる開放的な環境が好みでした。皆様も防音室の扉をどのようにするのかを検討する際、ガラス扉も候補になるかと思います。例えば、マンションのリビングルームの隣に防音室を設置する際、リビングルームから中の様子が見えたり、防音室からリビングルームの様子が見れることはとても気持ち良いと思います。

6. 床材は拭き取りが容易な硬質プラスチック素材、土足で入室可能


床材は、水、ジュース、つば唾液がついた際でも雑巾で簡単にふき取れるように硬質プラスチック素材を使ったものにしました。カーペット素材にしますと、ダニが溜まりやすくなるのと、天井が吸音天井になっているので、相対の壁は吸音効果が無く、音が反射する素材を使った方がスタジオ内での音響は良くなると言われています。なお、床材の色合いはダークでまだらな茶系にしました。これは天井の色とマッチングさせるためです。


なお、当防音室は土足で入室可能にしました。泥で汚れてもすぐにふき取れます。

7. 室内エアコンのエアーダクトからの音漏れ対策は重要!


エアコンは必須です。エアコンを設置する際、建物外にエアーダクトが出ます。エアーダクトから音漏れの可能性があるので、当防音スタジオ建築会社はその点においても、充分な対策を行っており、エアコンのエアーダクト経由で音が外に漏れないように防音処理されています。これは重要な点だろうと思っております。実際に建物の外に行って、ダクトに耳をつけても建物の外に音は漏れて来ません。隣り近所からの騒音クレームが来ることは無いでしょう。これは驚きです。

8. 換気扇の吸気・排気ダクトからの音漏れ対策は極めて重要!


防音スタジオでは空気の流れが止まりやすいので、換気扇は必須です。これもエアコンと同様に建物の外に吸気と排気のエアダクトが出るので、音漏れの心配があるのですが、エアコンと同様に、きちんと防音処理(建物外への音漏れ対策)がされています。ここも当該防音室建築会社のノウハウですね! 建物外の音漏れ対策の仕掛けは機密事項であるようなので写真でお見せすることはしておりません。エアコンと同じで、建物外の換気扇の吸気・廃棄用エアーダクト出口の横にいて、防音室で仮に爆音を出しても殆ど聞こえないです。ここにも防音対策が施されているんですね。隣り近所への音漏れ対策で重要な点です。

9. 天井は吸音仕様、黒の移動式で傾き調節式のスポットライトを使用


天井は壁と同じ素材の吸音仕様としました。床が吸音仕様ではないために、相対する天井は吸音仕様にする必要があります。また、照明は移動式で傾きを自由に調整できる仕様のものにしました。レールの中を移動することができます。スポットライトの電源供給は何と金属レールを伝わってくるようなので、スポットライトを自由に移動することができるのですね。ユニークなアイデア商品だと思います。天井の配色は、壁と同じ灰色の素材を使いました。


10. 防音室内に火災報知器はマストです!! 法律でも定められています


防音室内では火災報知器はマストアイテムです。これは法律で定められています。当スタジオではSECOMと契約しておりますので、SECOM製の火災報知器を設置していますが、防音スタジオ建築の際はSECOM社の建築担当者も天井設置の配線工事等で係っています。


11. 電源コンセントは3ピン仕様のものを部屋の6箇所に設置


電源コンセントは3ピン仕様のものを部屋の6箇所に設置しています。2つは、天井吊り下げスピーカー用、もう1つは録音機材用、残りの3つは壁下に設置しました。電源コンセントは何かと便利でして、携帯電話の充電やアンプの移動時にいろいろな場所に電源コンセントがあると大変に便利です。

12. 地震時落下防止タイプ仕様のギター引っ掛け金具を設置! 下地処理を忘れずに!


吸音施工した壁にギター引っ掛け金具を取り付けました。吸音材が5cm程度の厚みがあるので、その下にギターを吊るして良いように壁の中に下地を作り、その下地まで届く長目のしっかりとした釘で打ち込みすることが必要です。下地の上に5cmの厚さの吸音材があり、その上にこの引っ掛け金具をとりつけています。ギターを引っ掛けると、重みがありますから、下地無しで引っ掛け金具を取り付けて、重いギターを吊り下げると壁が剥がれてしまい、ギターの落下事故につながりますのでご注意ください。下地は必ず入れてください


なお、写真の引っ掛け金具は、ギターを吊るすと黒のレバーが回転して、地震があっても、ギターが落下しないようにストッパーの役割も果たす優れものです。ギター引っ掛け金具は、地震の際の落下防止機能があるタイプが絶対にお奨めです。


13. 天井吊り下げスピーカーはスペースの効率化につながります


音楽再生を高音質でしたいと強く思っておりましたので、それを実現するアンプ付の天井吊り下げスピーカーを2個取り付けました。天井吊り下げと言いましたが、実際には天井ではなく壁に取り付けています。初めは床置き型のスピーカーを検討していたのですが、スペース効率を考えて、天井吊り下げ型にしました。又、アンプ機能も内蔵されているスピーカーにして、別途アンプの設置が無いようにしました。


なお、高音質にはこだわっていたので、評価の高いアンプ内蔵スピーカー「GENELEC 8330AP GLM Studio」にしました。導入前に神田の宮地楽器にて実機を見て、実際に私自身がカラオケをさせて頂き、GENELEC製スピーカーの音質に感動しました。素晴らしいスピーカーであると思い、購入を決めました。このGENELEC製スピーカーに高品質のマイクを接続した時、通常のカラオケボックスとは異次元の音質であり、恐らく、私にとっては過去最高の音質でありました。イメージしていた当スタジオでのミニライブでは充分な音づくりが出来るものと判断しました。

14. 天井吊り下げスピーカーの取り付け方法、下地処理と3ピン仕様の電源コンセントは必須


写真は天井吊り下げスピーカーの取り付けの状況をカメラで下から撮影したものです。スピーカーは壁に取り付けるので、壁取り付けタイプの専用金具が必要になります。また、スピーカー用の電源出力に関しては、壁に3ピン仕様の電源コンセントを1個用意しました。スピーカーは通常3ピン仕様の電源コードを使っているのが一般的ですので、2ピン仕様電源コンセントではアダプターが必要となってしまいます。天井裏に電源コンセントを用意すると万が一の不具合の時に電源周りをいじるのが大変になるので、壁に電源コンセントが見えてしまいますが、スピーカーで配線を隠せば、コードがゴチャゴチャしても見えないと判断しました。


又、スピーカー専用ケーブルはかなり太いものです。この太いケーブルを、スピーカー設置場所から録音機材がある所までかなり太めのCD配管を用意して、そのCD管を壁の中を通しています。スピーカーケーブルはかなり太いので、細めのCD管であると壁内の折曲がった部分で詰まってしまい目的の箇所まで辿りつかない可能性があります。実際、当防音室でも、なかなかCD管の中を太いスピーカーケーブルが通らずに何度もやり直しを行いました。しかし、壁裏に太いスピーカーケーブルを通せる太いCD管を設置できるスペースが確保できるかも確かめる必要があります。場合によっては、裸のままスピーカーケーブルを壁裏に這わせる必要もあるでしょう。当スタジオでは、将来、スピーカーケーブルが不具合があった時に交換が容易なように念のためにCD管を設置しました。


また、GENELEC製スピーカーはネットワーク経由で音響度合をマネジメントするので、スピーカーからLANケーブルで音響機器本体と接続する必要がありましたので、そのLANケーブルもスピーカーケーブルと同じCD管の中を通しています


スピーカーは重量もありますので、ここでも壁に下地を入れた上で、取り付け金具を釘で打ちつける作業は必要です。

15. 録音機材設置場所の壁の配線等


録音機材用のキャビネット裏の配線を写真にしました。3ピン仕様の電源コンセントが6口あります。さらに、LANケーブル、地上波・BS放送用ケーブル、スピーカーケーブル等が壁から出ています。


壁に配線用の防音処理をした上で、パネルを取り付けています。細かい所にも防音のノウハウがあるんですね!

16. 壁の吸音仕様により5cmの厚みが出ます、部屋もその分狭くなります


防音室内の吸音を、天井吊り下げ吸音パネルを天井から吊るすのではなく、壁自体を吸音仕様にするために、壁や天井に吸音施工の必要があります。防音室の内寸は吸音施工をすることでさらに5cm小さくなります。重量が5,500kg(5.5トン)で20cm厚の遮音壁を施工するので内寸が20cm短くなると説明していましたが、実はさらにここから5cmほど内寸が短くなります


壁を吸音施工するのは壁全部ではありません。相対する壁は音が反射するようにします。例えば、天井が吸音仕様なので、床は吸音仕様にはしません。東西南北の壁ですと、当スタジオでは北側がガラス扉ですので、南側は吸音仕様の壁としています。東側は通常壁やピアノがあるので、西側は吸音仕様としました。

17. ピアノ用の吊り下げ照明器具をつけました


当防音スタジオ内のスポットライトの照明だけでなく、ピアノ演奏時に楽譜をはっきりと見えるように、ピアノ設置場所の上に、吊り下げ照明器具を取り付けました。元々は白熱灯でしたが、電気代節約のために、中の電球を全てLEDに交換しています。白熱灯電球をヨドバシカメラに持って行って、「この白熱灯電球と交換設置できるLED電球を下さい」と言うと、店員さんが「ハイ、これがいいと思いますよ」といとも簡単に紹介してくれました。1日に数時間ピアノを演奏しますと、白熱灯の照明器具ですと電気代が馬鹿にならないので、LEDに交換できて本当に良かったです。灯りの色合いは元々が黄色っぽかったのですが、LEDでも全く同じ雰囲気が出せるのには驚きました。天井から照明器具を吊るすので、電源等の工事、吊り下げされるように天井工事をしておく必要があります。

18. 防音室の電灯のスイッチ


防音スタジオ入口に入ってすぐの場所に電源スイッチを取り付けました。スポットライトの光量もここで調節できます。ピアノ用吊り下げ照明器具もここのスイッチでON、OFFできます。なお、スポットライトは左右で2列づつあるのですが、スイッチは2列まとめて1個ではなく、別々に使えるようにスイッチをそれぞれ用意しました。



19. 身長よりも高い姿見を用意、演奏する時に猫背になっていないかなあ、、


ギター演奏やサックス演奏の時、歌を歌う時、自分の姿勢がどうなっているのかを確認するための姿見を用意しました。これは大変に便利です。私はギター演奏の時、必ず姿見を見て、自分の姿勢を確認しています。猫背になっていないか、腕の振りは自然か等、確認できるのは便利です。


なお、身長よりも高い姿見は重量もありますので、壁に取り付ける際は、壁に吊るすことは避け、床に直付けして置き、壁は支えるための引っ掛け金具だけを用意して、そこに姿見のフックをかけるだけにしました。念のため、ここでも壁に引っ掛け金具用の下地処理をしています。簡単に取り付けられると楽観的に考えたいたのですが、意外や意外、この姿見を壁に取り付ける作業だけで数時間を要してしまいました。数分で終わると思っていたのですが、大きな間違いでした。姿見は重量があるので、引っ掛け金具に鏡裏のフックを数ミリ単位でキチンと合わせる設置作業が大変でした。

20. とても見やすい50インチ大型液晶モニターを壁掛け設置、下地処理を忘れずに!


パナソニック製の50インチの大型液晶モニターを設置しました。液晶テレビではありません。パソコンにHDMI接続してパソコンモニターとしても使うので、テレビ機能は外しました。テレビ機能は別途、地上波BS放送のレコーダーを接続しています。パソコン画面を見る場合は、やはり専用の液晶モニターの方がいいです。


なお、1人カラオケの際は、この大型液晶モニターは大活躍します。YouTubeでカラオケ配信音楽を大画面に写し出し、何と、YouTubeで流れてくる楽曲のキーを調節できるんです!! キー調節用の無償ソフトをインストールすれば、楽曲毎に自分のキーにあった高さに調節して楽しむことが出来るんです。これはとても便利です。カラオケを無償で自分のキーにあった高さで自由にいつでも楽しめることは最高です。皆様も是非、お試しください。


なお、この液晶モニターでは、録音や再生用のRMEソフトの操作画面も見ます。大きな画面はやはり操作がしよすいです。

21. オーディオインタフェイス、プリアンプを格納するキャビネットを用意しました


オーディオインタフェイスプリアンプ操作用パソコン地上波BSレコーダーDVDデッキ専用電源ユニット等を1カ所に集めて綺麗に整頓できる専用のキャビネットを用意しました。この裏に、電源コンセント、スピーカーケーブル、LANケーブル等の配線が集まります。壁に配線用の防音処理をした上で、パネルを取り付けています。なお、当キャビネットはキャスターがついているので移動は容易に出来ます。スタジオ内を掃除する際は、キャビネットを少しばかり移動させることが多いのでキャスター付キャビネットが適しているかと思います。



22. 当スタジオ自慢のオーディオインタフェイスとマイクプリアンプ、異次元の高音質!


当スタジオがこだわる「高音質」を実現するために、オーディオインターフェイス「RME Fireface UFXⅡ」マイクプリアンプ「Neumann V402」を用意しました。この2つを通じて、天井に吊り下げたGENELECのスピーカーからヴォーカル用マイクを通じて音を出すと、ハイ、別世界となります。普通のカラオケボックスやカラオケスナック、カラオケバー等とは段違いの高音質となり、気持ち良いです。「RME Fireface UFXⅡ」は、マイクを接続した時のいわゆる「ザーザー音」は無音となりますし、音はクリアーになり、より自然になります。1人ナレーションをして遊んでいると、何ちゃってナレーターみたいな気持になります。「Neumann V402」を通じて歌を歌いますと、「深み」が増し、高級感が出ます。非常に贅沢な装置であり、これは当スタジオが高音質にこだわったために譲ることが出来なかったものです。コンデンサーマイクを接続して、ヘッドフォンで自分の声を聞くと酔いますね。。。自己陶酔に世界に落ちてしまうほどでして、私は1人カラオケをコンデンサーマイクをつけて5~6時間ぶっつづけでやったことがあります。どれだけ歌っても、本当に綺麗なサウンドで、これは普通の日常生活ではまず体験できないことだと思っています。

23. パソコン、地上波BS用レコーダー、DVDデッキ、専用電源ユニットを用意しました


RMEのオーディオインタフェイスを操作するためのパソコン(Macmini)を用意しました。コンパクトですので、キャビネットには収まりやすいです。それと地上波BSレコーダー、DVDデッキは必須でした。テレビで映画やスポーツを大画面で楽しんだり、好きなCD音源を大音響で聴いたりするのは気持ち良いです。それと、ノイズ防止のための専用電源ユニットもあると非常に便利です。

24. 専用キャビネットのオプションのスチール棚には欠点がありました


キャビネットにパソコンや地上波BSレコーダー、DVDデッキ等をオプションのスチール棚の上に設置しているのですが、このキャビネット専用オプションのスチール棚には欠点がありました。それは奥行が大変に短いことです。奥行が短いMacminiは比較的楽に置けましたが、地上波BSレコーダーはサイズは非常に小さいのですが、ギリギリ置けました。しかし、DVDデッキはサイズオーバーでスチール棚の上に設置することができなかったんです。このDVDデッキもそれほど大きなサイズではないです。手の平に載せて運ぶことができるほどです。DVDデッキだけは、専用電源ユニットの上に直接に置いています。DVDデッキは重量があるので、専用電源ユニットもかなり頑丈に作られており、重さでへし曲がる心配は無いだろうと推測して、そのように設置しました。


もう少し奥行がある専用スチール棚があればと思うのですが、、、 難しいことではないと。。

25. ギター用の真空管アンプを用意しました


エレキギター用の真空管アンプ「SHINOS Rocket」を用意しました。SHINOSは国産メーカーです。真空管アンプにこだわっている日本のメーカーでして、フェンダーやマーシャルの対抗馬と言えるのですが、当スタジオでは国産メーカーに賭けてみました! 

26. スピーカーから出力用のダイナミックマイクは2本用意


天井吊り下げスピーカーから出力をする際のダイナミックマイクは2本用意しました。マイクは、プロフェッショナルに評価の高い「ORB CF-3」にしました。国産メーカーのものです。このマイクで1人プレゼンをして遊んでいると、自分がとても声の澄んだ、綺麗な声のアナウンサーになったような気分になります。

27. 録音用コンデンサーマイクを2本用意、これで1人カラオケは夢の世界です!


ヴォーカル、ピアノ、ギター等のアコースティック系楽器の録音用にコンデンサーマイクの「Austrian Audio OC18」を2本用意しました。私が1人ヘッドフォンカラオケで虜になっているのがこのマイクです。痺れるほど素晴らしい音質でして、これは皆様に是非、体験して頂きたいです。


ヴォーカル音は本当に素晴らしいの一言です。私は、ヘッドフォンカラオケを体験して、スピーカーから音を出して行う普通のカラオケに戻る気は無くなってしまいました。今は、全て、ヘッドフォンを付けて、このコンデンサーマイクを通して、カラオケを楽しんでいます。このマイクとRMEのオーディオインタフェイス、Neumannのプリアンプとの相性は最高です。


しかし、生ピアノ、アコースティックギターのストローク音等を綺麗に録音することは当コンデンサーマイクを使っても容易ではありません。高度な録音ノウハウが必要となります。

28. チェアを2脚用意


利用者が座ったり、カバンを置けるチェアを色違いで2脚用意しました。汚れても拭き掃除が容易なように革製のものにしました。

29. 小物置きを1個用意しました、大変に重宝します!


利用者がペットボトルやギターのピック、携帯電話等を置けるように小物置きを1個用意しました。これは私と妻のオリジナルデザインです! 小物置きはマストアイテムです。この小物置きはスタジオ建築後1年後経過して設置しました。これが無い時は、多くの利用者が荷物をピアノの上に置いていたんです。ピアノのツルツルとした表面に傷がついてしまうので、この小物置きを用意しました。

30. スマホで自撮り用スタンド、頻繁に使いますよ!


当スタジオではこれはマストアイテムです。ピアノ演奏の際、鍵盤の上から撮影をしたり、ギター演奏をいろいろな角度でスマホで撮影したりするシーンが多く、重宝するアイテムです。当スタジオでは、自撮り後、自分の演奏を、スマホをRMEに接続して、高音質で天井スピーカーから容易に聞くことが出来ます。自分の演奏をすぐに確認し、修正のための練習を効率良く行えるようにするためです。

31. 防音室の最大の欠点、それは....


当防音スタジオの最大の欠点、それは防音室に入ってしまうと外界の音が全く聞こえないことです。防音室内の楽器演奏音を24時間365日、騒音クレームが来ないように、外に漏れないようにすることはできました。しかし、防音室にいますと、会社の固定電話にかかってくる音は全く聞こえませんし、お客さんがインタフォンを鳴らす音も全く聞こえません。私が当防音スタジオでギターを弾いている時、建物の外で不思議そうにこちらを見ているクロネコヤマトの配達員の男性がいました。どうしてこちらを見ているのか不思議だったんですが、配達員は届け物があるためにインタフォンを鳴らしていたんですね。中で僕がギターを演奏していることを配達員は外から見ていたようですが、僕の反応が何も無いのできっとイライラしていたのでしょうね。


そういうことを防止するために、携帯型の会社の固定電話とインタフォンの子機がマストアイテムとなりました。僕は当防音スタジオで楽器を演奏する時は、必ずこの携帯型の固定電話とインタフォンと僕自身の携帯電話の3つをセットで持ち込むようにしています。

32. 防音スタジオ隣の部屋(会社会議室も兼ねる)から見た防音室①


防音スタジオ隣りの部屋は会社会議室も兼ねています。会議室と防音スタジオは配色、デザイン等が一貫性があるようにしました。防音スタジオ内で誰かがピアノ、ギター、カラオケをやっていたとしても、会議室では普通に商談が出来ます防音室内の音は耳をすませば僅かに聞くことができますが、普通に人を話をしていますと、その話し声で防音室内の演奏音は聞こえてこないです。

33. 防音室入口の2重の全面ガラス扉はやはり凄いなあと思います!!


この2重の全面ガラスの2重構造はやはり凄いなあと思います。開放的で光が入り込み、閉鎖感が微塵も無いにもかかわらず、防音がキチンと実現されているからです。隣りの会社会議室には無音ではないですが、商談の邪魔になりません。防音室内でカラオケをしている人がいるのを会議室から見てますと面白いです。口だけパクパク動いていますが、歌声やバックの音が何も聞こえてこないからです。「一体、この人はどうして口をパクパク動かしているんだろう」って笑ってしまいます。又、建物の2階にいますと、音は本当の本当に全く聞こえません。勿論、建物の3階、4階への音漏れは当然ございません。当然の帰結として、建物の外には音漏れは「ゼロ」です。どんなに耳を澄ませても、全く音が聞こえません。夜中だろうが昼間だろうが防音室で爆音を出しても、建物の外には全く聞こえてこないです(但し、当スタジオはドラムだけは適用外です)。


24時間365日、どれだけ大きな音でピアノやギターを弾いても、隣り近所、あるいは建物内の居住者から騒音クレームは一切来ないという夢を実現できたのだなあって実感します。

最後に


以上が当防音音楽スタジオの詳細でした。


繰り返しになりますが、「24時間365日楽器演奏をしても、騒音クレームが来ない」夢を実現することができました。仮に予算が無くて、他の実現したいことを断念したとしても、この1点だけは譲ることが出来ませんでした。


防音スタジオを検討されている皆様の関心事も、この点が最重要項目ではないでしょうか。


もし、ご関心がありましたら、是非、当スタジオにお越しください。そして、音漏れを実際に確かめて頂き、皆様の防音室の企画、設計、建築に役立てて頂けたら幸いです。


おたすけレッスンスタジオ運営責任者

中川清人

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営業時間 8:00~22:00 年中無休

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〒103-0025

東京都中央区日本橋茅場町2-10-10

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080-3462-4791

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東京都内に音楽スタジオを設け、様々な音楽ジャンルのエキスパートたちが演奏技術や音楽表現力の向上を支援いたします。茅場町駅から徒歩5分圏内とアクセス抜群の好立地であるため、帰宅途中であっても気軽にお立ち寄りいただけます。

多種多様なニーズにお応えできるオンラインによる演奏指導

おたすけレッスンスタジオのこだわり

プロ目線のアドバイスで初心者も実力が伸ばせる音楽レッスン

スタジオに複数人で集まって一人の講師からの指導を受けるようなレッスンとは違い、一人ひとりの課題に向き合って的確なアドバイスをするレッスン動画を主に提供する音楽スタジオを運営しております。多忙でレッスンの時間に合わせられない方や、ベースなどの演奏にワンポイントアドバイスが欲しい方など様々なニーズにお応えできるコンテンツとして、多くの方にご利用いただいております。

演奏を録画した動画をお送りいただきフィードバックをお返しする一回きりのレッスンコースのほか、回数や内容をカスタムできるカスタマイズコースがあり、ご要望に合わせて柔軟な対応を心がけております。講師は各音楽分野で優れた実力を持つプロのアーティストが担っており、実際に音楽活動をしているからこそ、聴き応え・見応えがあり人を惹き付けるテクニックをご自宅で学ぶことができます。

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